ロッカールーム
離れる
夜中の1時半。


あたしとサクは誰にも邪魔されることなく家を出た。


昨日祖母を殺してしまったことなんて気にならなくなるくらい、気持ちは高揚していた。


昨日会えなかった分だけ楽しみも膨らんでいる。


早く会いたい。


早く会いたい。


そんな気持ちで一生懸命自転車をこいだ。


そして見慣れた旧校舎が見えて来た。


あたしとサクは自転車を投げ捨ててその中へと急いだ。


懐中電灯をつけるのだってもどかしく感じてしまう。


お父さんも、きっとあたしたちに会えなくて寂しかっただろう。


早足に『ロッカールーム』へ向かうと、いつもより早い時間に到着してしまった。
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