ロッカールーム
イジメより恐ろしいもの
放課後になり、あたしとサクは花を近所の公園へと呼び出した。


花は最初とまどっていたけれど、少し話がしたいだけだと言うと、素直に応じてくれた。


錆びれた遊具しか置いていない公園は誰の姿もなかった。


もうすぐ取り壊されるという噂もある。


今にも壊れてしまいそうなベンチに花を座らせて、あたしとサクはその前に立った。


「花、ずっとイジメられてて平気なの?」


今日は花の狂気を刺激するつもりでここに呼び出していた。


花の狂気がどれほどの大きさなのか、好奇心も強かった。


仮に狂気が弱かったとすれば、その時に自殺に見せかけて殺せばいい。


「平気じゃないよ」


花は静かな声でそう言った。


「じゃあ、なんで黙ってるんだよ」


サクがそう聞いた。


更なるイジメが怖いからという返答だと思っていた。


黙っていればイジメは終わる。


そう考えているのだと思っていた。
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