ロッカールーム
半分ほどすり減って読めなくなってしまっているが、そこは間違いなく、あたしたちが探していた『ロッカールーム』だった。


普段旧校舎に入る事なんてないから、こんなに簡単に目的地に到着するとは思っていなかった。


「ここ?」


サクがゴクリと唾を飲みこんでそう聞いて来た。


「たぶん、そうだよね」


あたしはその部屋にそっと足を進めた。


木製の木の戸はあちこちシミができている。


戸に手をかけるとそこだけやけに冷たく感じられた。


一瞬だけ嫌な予感が胸をかすめた。


でも、家を抜け出してここまで来たんだ。


中へ入ってみないと来た意味がない。


自分自身にそう言い聞かせて、あたしは戸を開けた。
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