ロッカールーム
そう思うと同時にあたしは花を見た。


あたしと視線がぶつかった花はゆっくりと立ち上がり、こちらへ向かって歩いて来た。


「あんた、なにかしたの?」


低い声でそう言うと、花は「なにかしたのはそっちでしょ? あたしは本当の事をみんなに話しただけ」と、言った。


カッと血が駆け巡るのを感じる。


「話をしたら、みんなあたしを信じてくれた。それがどういう意味かわかる?」


首を傾げて人を馬鹿にしたような花の口調。


「うるさい! 適当なことばっかり言って、みんなの事騙してるのは花でしょ!」


あたしは怒鳴るようにそう言った。


どうしてみんな花の言う事を信じるのか、あたしには理解できなかった。


花はただのイジメられっ子で、あたしはイジメなんて無縁の生徒だ。


それなのに、なんで!
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