ロッカールーム
「あたしは小夜の事を信じてる。だからこそ、ロッカーに入って潔白を証明してほしいと思ってる!」


言いながら、アカリの頬には涙が流れていた。


「アカリ……」


「少し狭いけど、2人なら入れるな」


秀太がそう言った。


「あぁ。大丈夫だろ」


涼が答える。


「早くしてよ。あたしたちも授業があるんだから」


そう言ったのは龍の彼女のカナだった。


これだけの人数がいるクラスなのに、あたしたちの味方はどこにもいない。


その事を痛感させられる。


それでもあたしとサクは動くことができなかった。


花の話がデマだとしても、あのロッカーから死者が出て来たことには間違いないのだ。


知らず知らず恐怖心が湧いてくる。


「行くよ、小夜」


アカリがあたしの手を掴んで、奥へと歩き出した。


「やめてアカリ。あたしなにも悪い事なんてしてない!」
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