ロッカールーム
「あたしだって小夜を信じてる。だから!!」


そう言い、アカリはあたしを突き飛ばした。


バランスの崩れたあたしはそのまま木製のロッカーの中に足を踏み入れてしまった。


とどまることもできずロッカーの壁に手を付こうとしたのだけれど……そこに壁なんてなかった。


暗い空間が広がっていて、ひやりと冷たい空気があたしの手を包み込んでいた。


空間がグニャリと歪んで見えた。


次いで、あたしの後からサクがやってきた。


慌てて振り返るとそこにはもうなにもなくて、ただ真っ暗で寒い世界が広がっているのだった……。
< 214 / 217 >

この作品をシェア

pagetop