ロッカールーム
こんな状態なら幽霊が出ると噂されてもおかしくないハズだ。


そう思いながらあたしたちは『ロッカールーム』の前で足を止めた。


戸を開けると昨日と同様にヒヤリとした空気が流れてきた。


けれど、今はそれも心地よく感じられる。


霊界へと通じている部屋なんだから、これくらい冷えていても違和感はなかった。


あたしは懐中電灯で部屋の中を照らしながら、奥へと進んでいった。


木製のロッカーの前に立ち、スマホで時間を確認する。


1時50分だ。


はやる気持ちを抑えるように深呼吸をした。


早く会いたい。


お父さんに会いたい。
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