ロッカールーム
生徒のいない空教室へと向かうと、ようやく話を切り出した。


「旧校舎のロッカーについて、知ってるんだろ?」


サクの質問に昇は目を見開いた。


「あぁ。死者に会えるっていう噂だろ?」


「昇はその噂を調べてたって聞いたから、色々聞きたくて」


「もしかして会いに行くつもりか?」


昇が真剣な表情になってそう聞いて来た。


2か月前に両親が亡くなったばかりだから、そう疑われても仕方がない。


「まさか。信じてなんてないよ」


サクが軽い口調でそう言った。


「今度これを出すの」


あたしはそう言って、ポケットに折りたたんで入れていた紙を取り出した。


それは新聞部から拝借した記事の一部だった。
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