ロッカールーム
☆☆☆

今日は家に帰ってからすぐに眠りについた。


深くて誰にも邪魔されない睡眠だった。


「今日はよく寝れたよ」


旧校舎の中を歩きながらあたしはサクへ向けてそう言った。


「俺も。あんなにうまく行くとは思わなかったからな」


「だよね。今日はお父さんとどれだけ話ができるか楽しみだなぁ」


スキップでも始めたい気分で『ロッカールーム』の戸を開ける。


普段以上にヒヤリとした冷たい空気が流れているけれど、気にならなかった。


ドキドキする気持ちを押さえこんでロッカーの前に立った。


2時になるのを待ち、いつものようにお父さんの名前を3度唱えた。


空間がグニャリと歪んだ感覚があり、そこにお父さんが現れた。


「お父さん!」


そう言って抱き着くと、お父さんの体からヒヤリとした冷気を感じた。


「お前たち、今日は良く頑張ってたな」


そう言い、お父さんはあたし達の頭を撫でてくれた。
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