ロッカールーム
次第にクラスメートたちの視線がこちらへ集まって来るのを感じる。


「盗んだとしたら絶対に女子だよね」


未来が更に続けてそう言った。


「まぁ……ブランドもののポーチなら、欲しがるかもしれないね」


あたしも渋々といった感じで未来に賛同した。


美桜の表情がひきつるのがわかる。


「みんな、鞄の中を見せて!」


バッと振り向いた美桜はそう言った。


目はギラギラと輝き、犯人を突き止める気満々なのがわかった。


教室内がざわめくが、未来が一番最初に動いた。


「あたしの私物確認していいよ」


自分の机に手をあてて美桜へ向けてそう言った。


美桜は頷き、未来の鞄の中を確認しはじめた。
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