ロッカールーム
幸せな時間
クラスメートたちの花への対応は一瞬にして変化していた。


今まで花は目立たないというだけで、別にイジメられているわけではなかった。


友人もいるし、そこそこ幸せな学生生活を送れていたと思う。


けれど、今朝の一件があってからクラスメートたちは花から距離を置くようになった。


花へ軽蔑の視線を向ける生徒もいるけれど、ほとんどが涼の本性を見てしまったことが原因だった。


今花と一緒にいると、自分まで目の敵にされてしまうと思い、近づけないのだ。


あたしとサクにとっても涼の豹変ぶりは想定外だった。


普段はとても優しくて頼りがいのある生徒なのに、一度怒りはじめると止まらないようだ。


涼は今では今朝の出来事を反省し、花にもやり過ぎたと謝っていた。


けれど、それですべてが解決するわけじゃない。


花の立場は今だに悪いままだ。
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