ロッカールーム
「今日はどのくらい話せるから」


家に帰ってからあたしはサクにそう言った。


「どうかな。昨日の倍は集まったはずだけどな」


ウーロン茶を飲みながらサクは言った。


昨日の倍だとしてもたった30分の延長だ。


そう思うとため息が出て来た。


次第に、死者に会った人がどうして少年院に入ってしまったのか分かってきた気がする。


人の涙やマイナスの感情は大きくなくちゃいけない。


それこそ人の命を奪うくらいの汚れた心を持っていないと、朝まで一緒にいることなんてでないんだ。


さすがに、人殺しなんて考えることもできなかった。
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