ロッカールーム
あたしたちを生んだ偉大な人間がそう簡単に死ぬハズがないと、勝手に思い込んでいたのだ。


そんな大きな存在を一瞬にして失ったあたしたちは寄り添うしか方法がなかった。


幸いにも父方の祖母の家が近かったため、そのまま身を寄せることになった。


両親との思い出詰まったマンションを出るのは辛かったけれど、祖母の家には昔のお父さんの写真が沢山あった。


お母さんとデートしている幸せそうな写真も沢山あった。


それらを見ていると、自然と元気が出て来るのを感じた。


両親が亡くなったと聞いた時は、まるで自分の人生が終わってしまったかのような感覚だったのに、徐々に前を向く事ができた。
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