アネモネ
1章 これが私の仕事
ギシっ………

薄暗いホテルの一室から聞こえるベッドの軋む音

そして荒い呼吸


「はぁはぁ…、っだめっ…!!」

ビクっと反る背中
ベッドのシーツを反射的に右手でぎゅっと掴む

「紫花(あいか)ちゃん…っ」

そう耳元で囁いて、私をぎゅっと抱きしめた_________

「やっぱり、紫花ちゃんが1番相性いいよ」

そう言って、脱いだ服を着始めるオトコ

「そうですか…??嬉しいです」

そうやって笑み返す

これで、このお客はまた私のとこに来る

「そんな顔で言われたら、また来たくなっちゃうじゃん」

そう言って、私の頭を軽く撫で頬を伝い、顎に手をかけ軽く上にあげキスをしてくる

やっぱりね

そう思ってゆっくり目を閉じる


キスの味はもう分からない




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