××な彼女の事情
階段を降りていると蒼太がいた。
「蒼太!!!」
私は蒼太に聞こえるように大きな声で名前を呼んだ。蒼太はふりむき少しおどおどした表情で私を見つめた。
「蒼太こっちきて。」
私は蒼太を人気の少ないところへ連れて行った。
「ごめん。そーちゃん」
「え…?」
蒼太は突然私が誤ってきたことに驚いた。それもそのはず、私は今まで蒼太に対し自分から誤ったことがなかったのだ。
「ごめん。私そーちゃんと喋らない生活なんてやだよ。寂しいよ…この前ひどい事言ってごめんね…。」
「…俺こそ、ひどい事言ってごめん。俺も花玲と喋りたかった。」
「そーちゃん…ありがと。」
私は涙を流しながら笑った。
「好きだよそーちゃん。」
私はついポロリと言ってしまっていた。
「俺も花玲のこと家族みたいにだいすきだ」
私はこのとき蒼太が鈍感でよかった。という思いと少し寂しい思いがあった。