何度でも、愛を叫ぶ。
「だって、そうでしょ?その人にとって、きっと大切なものだったと思うの。走ることは。生き甲斐だったのかも。」
「…とても、輝いていました。」
「でも、それを失うかも知れなくても無意識的に祐香ちゃんを守ったの。」
…ああ、そうか。
二人の間には、見えない絆が今でもあるのか。
そう思うと、俺が入る隙間はどこにも無いと思えた。
「でも、彼は記憶を失う前にこういったんです。」
「消えろ。って。」