何度でも、愛を叫ぶ。


轢いた、人。


「…もしかして。」


その人に心当たりが、一人だけいた。


「なあ、昔…村本和翔っていう患者居たよな。」


「ああ、それがどうした。」


「その人、俺の先輩なんだけどさ。事故に巻き込まれて、入院したんだよな?」


「でさ、その人を轢いた人ってさ、」


退勤した後、俺は仕事終わりの親父に尋ねた。


「もしかして、健二おじさんじゃないか?」


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