何度でも、愛を叫ぶ。



「はあ、邪魔物はそこで寝てろ。」


「…なあ、さっきから黙ってみてたけど、美夜の兄貴たちはさ、先輩のなんなんですか?」


「は?」


「美夜から、友達に和翔先輩が殴られてるって聞いて急いできたけど、なんかしたのかよ。」


動じない駆くんに、次第に男たちは冷静を取り戻していく。


「…美夜が、こいつに泣かされてるって。妹泣かされて、黙ってる兄貴は、居ないだろ。」


「逆ですよ、逆。こいつは泣いてるけど、それよりも先に傷付けたのは、こいつ。」


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