何度でも、愛を叫ぶ。
気付く気持ち
入院して、3日。
和翔くんは、一向に意識を取り戻すことはなかった。
…まるで、あの日のように。
「祐香ちゃん、バイトがあるでしょ?和翔のことは私たちが見ているから、あなたは休んだ方がいいわ。」
あんだけ私を嫌っていた和翔くんのお母さんは、震えながら和翔くんを運んだ私を見て許すことにしたという。
元々、許すも何も怒ってはいなかったが、一度加害者への怒りを当たってしまってからどうすればいいか分からなくなったという。
おばさんも不器用な人だった、というわけだ。