嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編
「ことちゃん!こっちこっち!」
化学の移動教室中に事件は起きた。
「ごめんなさい!今行きます」
道を間違えたわたしを優しい眼差しで見守ってくれている天使さんのところに向かおうと身を翻した
ーーーその時
「いった~!」
わたしは階段を勢い良く降りてきた女子生徒とぶつかった。
相手がスピードを出していたせいもあり、わたしは思った以上に衝撃を受け、尻餅をついてしまった。
立ち上がろうとしても右足に力が入らず、再び尻餅をつく。
生まれたての子馬のようによろよろと立ち上がると、相手の女子生徒が剣のような鋭い眼差しで睨んできた。
「あんた、何ぼけっとしてんのよ!あやまんなさいよ!!」
「えっ…あっ、はい……ごめんなさい」
わたしが深々と頭を下げて謝ると、相手が私の肩を掴んだ。
垂れた頭を上げると、相手がものすごい力を加えてわたしを倒した。
3回も打ちつけたお尻はヒリヒリというか、ビリビリというか、電流が走っているのかと疑いたくなるほどに痛み、熱を帯びていた。
「朱比香(すぴか)!止めて!」
天使さんの声だった。
わたしを見捨てないでくれたんだ。
迎えに来てくれたんだ。
「あ~ら、百合野ちゃ~ん!お元気ぃ?」
園田さんは朱比香と呼んだ女の子を無視して私に手をさしのべてくれた。
やっぱり天使さんだ…!
わたしが妙に感心して園田さんをキラキラとした目で見つめていた。
「いい加減止めなよ、こんなこと!」
いい加減止めなよ…。
ってことは……常習犯!?
こんなにお美しいお方がいじめ紛いなことを日常的にやっている!?
この学校…
ヤバい。
冷や汗が一筋背中を伝った。
手のひらは吹き出た汗でびっしょりだった。
「何いい子ぶっちゃってんのよ!百合野だって去年までこっち側の人間だったじゃない」
「その話は止めて!」
天使さんが怒鳴り、廊下に響き渡った。
わたし達と同じく移動教室中の新入生は何事かと関心を寄せながらも、深入りしないようにそーっと脇を通っていった。
「とにかく、二度とこの子に手出さないで!」
「行くよ」という天使さんの声はどちらかというと悪魔の囁きのようだった。
わたしは目の前で繰り広げられた惨事を脳裏に色濃く焼き付けてしまったのだった。
化学の移動教室中に事件は起きた。
「ごめんなさい!今行きます」
道を間違えたわたしを優しい眼差しで見守ってくれている天使さんのところに向かおうと身を翻した
ーーーその時
「いった~!」
わたしは階段を勢い良く降りてきた女子生徒とぶつかった。
相手がスピードを出していたせいもあり、わたしは思った以上に衝撃を受け、尻餅をついてしまった。
立ち上がろうとしても右足に力が入らず、再び尻餅をつく。
生まれたての子馬のようによろよろと立ち上がると、相手の女子生徒が剣のような鋭い眼差しで睨んできた。
「あんた、何ぼけっとしてんのよ!あやまんなさいよ!!」
「えっ…あっ、はい……ごめんなさい」
わたしが深々と頭を下げて謝ると、相手が私の肩を掴んだ。
垂れた頭を上げると、相手がものすごい力を加えてわたしを倒した。
3回も打ちつけたお尻はヒリヒリというか、ビリビリというか、電流が走っているのかと疑いたくなるほどに痛み、熱を帯びていた。
「朱比香(すぴか)!止めて!」
天使さんの声だった。
わたしを見捨てないでくれたんだ。
迎えに来てくれたんだ。
「あ~ら、百合野ちゃ~ん!お元気ぃ?」
園田さんは朱比香と呼んだ女の子を無視して私に手をさしのべてくれた。
やっぱり天使さんだ…!
わたしが妙に感心して園田さんをキラキラとした目で見つめていた。
「いい加減止めなよ、こんなこと!」
いい加減止めなよ…。
ってことは……常習犯!?
こんなにお美しいお方がいじめ紛いなことを日常的にやっている!?
この学校…
ヤバい。
冷や汗が一筋背中を伝った。
手のひらは吹き出た汗でびっしょりだった。
「何いい子ぶっちゃってんのよ!百合野だって去年までこっち側の人間だったじゃない」
「その話は止めて!」
天使さんが怒鳴り、廊下に響き渡った。
わたし達と同じく移動教室中の新入生は何事かと関心を寄せながらも、深入りしないようにそーっと脇を通っていった。
「とにかく、二度とこの子に手出さないで!」
「行くよ」という天使さんの声はどちらかというと悪魔の囁きのようだった。
わたしは目の前で繰り広げられた惨事を脳裏に色濃く焼き付けてしまったのだった。