嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編
ビニール傘に雨が打ちつける。


ボタボタ…と、うっとうしい。



「なんか…すみません。こんな場所で手当てしてもらって」



雨宿りする場所もなく、私も自力で歩けないため、ビニール傘だけを頼りにして、その下で応急処置を施されていた。


心配性だから絆創膏は1パック、ウェットティッシュは2パック、ティッシュは街中でもらったものが3つ、カバンに入っていた。



「はい、できました。これで帰れますよー」



「ありがとうございます!でも…」



「でも?」



わたし…帰れない!


足痛いし、カバン重いし…。


でもでも、自分から頼むのってどうなのかな?


いやいや、頼むしかないよ。


恥ずかしいとか、言ってられない。



「あのぉ、大変おこがましいのですが…。
そのぉ、おんぶ、いや…抱っこでも良いです!どうかわたしを見捨てず、送り届けてくれませんか?」



一体何を言ってるんだ?!と思われただろう。


恥もためらいも全部捨てて頼み込んでいるんだ。


お願いします!


わたしを助けて下さい!



わたしはアスファルトに頭をつけた。
< 103 / 137 >

この作品をシェア

pagetop