嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編
星名食堂ののれんはしまわれ、電気も消えていた。


今日はお礼できないな。


どうしよう…。



「じゃ、オレはこれで」



相変わらず素っ気ないけれど、きっと嫌いなわたしと関わってしまったのが、そうとう身に応えたのだと思う。


こんな時間までつき合わせてしまったし…。


…そうだ!


わたしの脳はブドウ糖が枯渇しているわりに、意外と素早く名案を見つけてくれた。



「青柳くん、待って下さい!」



良い子が眠っている時間に大声を出して近所迷惑の何物でもない。


運良く雨が弱まって来た。


真っ直ぐ前を向いていると、青柳くんの首が動いた。


ちゃんと青柳くんの耳には届いてたみたい。


振り返って、いやいやそうだけど、こちらを見てくれた。



「あのぉ…今度食堂に来る時は、タダにします!今回のお礼です!父にも伝えておくので、安心していつでも来て下さい!」



『ありがとう』



彼の口の形からして、この言葉以外考えられない。
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