嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編
放課後呼び出しされた時から、オレの返事は決まってた。


だから、頭に浮かんでいた言葉をそのまんま口にしたんだ。


 
「好きです!付き合って下さい!」



「ムリ。オレ、カノジョいるから」



直球で来たから、ド真ん中に打ち返したまでだ。


普通のことだと思う。


しかし、朱比香は泣き出してしまった。



やっべえ、どうしよう…。


そういや、ファンタ好きだったよな。


仕方ない。


買ってやるか。



オレは仕方なく、小銭だけで埋め尽くされたボロボロの財布から、120円を出して穴へと落とした。


カタンッ…。


穴に吸い込まれていったお金を惜しんでいる時間はなかった。


一刻も早く朱比香にご機嫌を良くしてもらわねば…。


オレは急いでファンタをかっさらい、中庭に戻って朱比香に差し出した。



これで勘弁してくれよ。


オレにだっていろいろあんだよ。


いつまでも、オレだけにしがみつかないでくれ。



そう強く思いながら渡した。



「じゃ、オレこれから用事あるから」 



早く立ち去りたくて、一秒でも早くあそこに行きたくて、ウソをついた。


オレは今、朱比香にかまってられないんだ。


気になるヤツが、初めての感情を生んだヤツが…、今日も待ってる…はずだ。
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