嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編
「いやあ、終わったね!やっと夏休みだ!ことちゃん、一緒に遊びに行こうね!」



私が園田さんと笑いあっていると、頭上から声が降ってきた。


「こ~とちゃん、ちょっと良い?」


ドキリとした。


いや、ドキリというか...ぞわり?


「ねえ!な~に馴れ馴れしく、こ~とちゃん、なんてよんでんの?!キモいわ」



「会長のことをキモいというのはどうかと思うよ。俺は今では権力者。この学校の生徒のトップだ。俺に逆らったらどうなるか分かっていってるよね?君を辞めさせることだってできるんだからね」



ひょ...ひょえ~


なんか、怖いです...。


赤井くん...


じゃなくて、赤星くんってこんな人だったっけ?


って、あんまり知らないんだけど。



赤星くんの威圧感にさすがの園田さんもたじろいだ。


わたしと来たら、口をあんぐりと開け、呆然と赤星くんの次の言葉を待った。



「あのさ、ことちゃん。次の土曜って予定ある?」


「いっ、いやぁ...ない、です...が」



思わず言葉がたどたどしくなる。


喉が萎縮して上手く声にならない。


「なら、一緒に水族館行こう。夏は暑いからね、中でゆっくりのんびりしながらことちゃんとデートね」



つ、遂に...


遂に出ました、この言葉!




わたしは開けた口を一度閉じ、ゴクリと唾を飲み込んでいった。
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