嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編


 
「DP3かぁ…」


思わずため息が出た。


なんか、カッコつけてるけど、ただのいじめ集団じゃん。


この学園を自分たちの支配下において自分たちさえ輝いていればいいなんて、そんなの間違ってる。


そんな人たちが罰せられないでぬくぬくと学校生活を送っているのかと思うと、なんか、ムカつく!


スクールカーストだか、何だか知らないけど、間違いだらけの学校に私はいたくない。


やめてやりたいよ、今すぐ。



でも…できないんだなぁ。


だったら…


だったら…


やるっきゃないでしょ!



「園田さん!」



わたしが突然大声を出したから、園田さんは驚いて一瞬よろついてしまった。



「あっ…ごめんなさい、いきなり大声出して」


 
「いや、別にいいんだけど…何?」



「わたし、この学園を何とかしたいです!全部変えられなくても、少しでも良いからこの学園を良くしたいんです!このままじゃ、間違った方向に行ってしまいます。園田さんっ、わたしと園田さんでみんなが楽しめるような学園にしていきましょう!」



わたしがそう言うと、園田さんはお腹を抱えて笑い出した。


わたし、何か変なこと言った?



「ことちゃんっておもしろいね!アハハハ…。学校生活にこんな熱くなれる人見たことないよ。次期生徒会長だね!」



生徒会長!?


このわたしが!?


何故に!?



疑問符が何個も浮かんだけれど、口には出さなかった。


飲み込めるものは飲み込んだほうがいい。


わたし…ちょっとズレてるみたい。


園田さんはしょんぼりしたわたしの肩を優しく叩いた。



「ことちゃん、元気出して。別に否定してる訳じゃないから。むしろ、純粋でうらやましいって思ってる」



ホントかな…?


わたしは1人で熱くなってしまったことを心底後悔しながら家路を急いだ。
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