嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編
「お父さん、ただいま」


「おう、お帰り!今日の晩飯はアジフライ定食だ!揚げたてじゃなくてごめんな」


「ううん、ぜんっぜん、平気!手洗ったら食べるね」



油臭い厨房脇の階段を上り、2階に上がる。


元大手飲料水メーカーの営業担当の父は声がバカでかい。

 
耳をダンボにしなくても、ひそひそ話が聞こえてくることもある。


今日なんて、男子高校生と恋バナを楽しみ、爆音を轟かせていた。



「好きなら、とりあえず告白だ!男なんてのはな、当たって砕けて生きるもんなんだよ!」



当たって砕けろ、ねぇ。


よくもまぁ、あなたが言えたものだ。


砕け散ったクセに…。


そのせいで娘にも被害が及んだのに…。


忘れたの、お父さん。



ふんにゃりしてしまったアジフライに霧吹きで水をかけ、オーブントースターに入れた。


サクサクが蘇ることを祈って私は自分の部屋に向かった。
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