嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編
わたしは光蘭学園を再生?するためにどうすれば良いか考えた。


いじめというものは社会問題で、いじめがない方が珍しい。


みんな仲良しなどとスローガンを掲げるのは、現実離れしているかもしれない。


でも、わたしはこの学園の模範生として真面目に改革に取り組むつもり。


園田さんの話によると、全額免除のSA特待生は学年に1人いるかいないかくらいのとっても貴重な存在らしい。


頭が良いなんて今まで思ったことがなかったけど、自覚していなかっただけで、本当はわたし、すごくできる人なのかな?



「ことちゃん、おはよう」



「おはようございます」



今日もポニーテールが良い具合に風になびいている。


大人っぽい雰囲気を醸し出す濃いめのルージュが、色のないわたしにはまぶしく映った。



「ことちゃんって礼儀良すぎ!同級生なんだからタメ語で良いよー」



園田さんにそう言われたけど、思い起こしてみれば、幼稚園児だった時から敬語を使ってた。


だから逆に敬語じゃないと安心しない。


敬語の英才教育を受けたワケでもないのに、知らず知らずのうちに身に付いていた。



一体いつからこんな感じなんだろう?



自分のことなのに、敬語のルーツは思い出せなかった。



「不自然だから練習して直しなよ」



「分かりました」



「“分かりました”?…分かってないじゃん!!」



「えっとぉ…ごめん…ね。気をつけます。…ん~、じゃなくて、気をつけ…る、ね」



「そう、それそれ。よろしい」



わたしの敬語脱却はまだまだ時間がかかりそうだ。
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