嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編
「へえ~!ことちゃん家って定食屋なんだ!あたし、カフェばっかり行ってるから全然知らなかった。今度コイツと行くね」



百合野が肘をこずいてくる。



小さい頃からコイツはこんな感じ。


オレの中では朱比香とセット。


2人で1人くらいのイメージ。


いつも一緒にいて、仲良しなんだろうなぁと思ってたが、こっちも見当違い。


仲良しなんかじゃなかった。


百合野は朱比香を煙たがり、「あたしが一番かわいい!」オーラ全開の朱比香はDP3に加入したことで、今まで散々お世話になった百合野を捨てた。


ってな感じの状況を目の当たりにしているオレは、大の女嫌い。


女は信じられない。


まあ、男もあんま信じてないけど…。


オレにとって女はこの世の生き物の中で1番苦手だ。


特に…



「なんか変な匂いする…」



「あっ…ごめんなさい。このゴミかも。すごいですよね、学校にカップラーメンって。お湯、どこから持ってくるんでしょう?」



どうしてそんな発想になるんだ?


カップラーメンもお湯もカンケーねえだろ。


ハハハ…、呆れる。



「じゃあ、あたしたち、こっちだから。10組さん、がんばって~」



また余計なことを…。


クラスとかどうでも良いだろ。


オレは静かにその場を立ち去った。



しかし、



オレは解放されない。



憂鬱なあの場に行かなきゃならない。
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