アーサー王伝説を完全なるハッピーエンドへ
疑問点その1、そもそも俺は誰だ。
…少し、誤解を招く物言いだったかもしれない。
名前、生年月日、出身地などの個人情報的記憶はしっかり頭にインプットされている。
語れと言われたら正直何を語れば良いか分からないが、18年間の人類史上最悪と言っても過言ではない人生も嫌々ながらも、覚えている。
問題は、そこではない。
俺の容姿にこそ疑問点を置くべき問題が存在したのだ。
そもそも俺は、金髪じゃない。
目立つことを苦手とする俺としては、由々しき事態でもあった。
俺が思う日本人の一般的常識論に反することだ。
黒髪、茶髪まではまだ許せるが、金髪はいくらかっこいいからと言われても断固として拒否させてもらう。
目立つのは好きじゃないからな。
そして、その変化は瞳にも現れていた。
髪の色と同じ色、金色という言い方は少しかっこ悪いので琥珀色とでも言っておこう。
非現実的な色にカラコンか?と少し疑ってみたものの、俺は元々コンタクトを使用したことがないので、どう確かめてみようかと迷った挙句、諦めた。
別に確かめられない訳じゃないが、目に指を突っ込む勇気がない。
下手をすれば、自分に自分で目潰しをするというカオス状態に陥りかねないのだ。
…と、まぁ。
髪型、瞳と来て次は体付きだ。
傍目から見たら、大きな変化はないように見えるが、筋肉の付き方にあきらかな変化があった。
しなやか、それでもどこか力強さを感じる、今までどれだけの努力を積み重ねればこんな大層なものになるのだと困惑するほどのものだ。
一体全体、俺に何があったんだよ…。
理解に苦しむ。