❀ お嬢様華伝 ❀
それに、フェンスや壁を身軽に乗り越えていく。


その姿は、…まるでサルのよう!


「待てやっちゃ!!」


だけど、あたしだって負けない!


森と比べたら、人工物しかないこの東京の街は、足の踏み場が多くてむしろ走りやすい。


方言に加え、口も少々悪くなってきたけど…。


絶対、逃がさんっちゃ!


あたしは追いかけながら、制服のブレザーを脱いで、器用にスクールバッグの中にしまった。
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