❀ お嬢様華伝 ❀
振り返ると、緑のブレザーの制服を着た男が立っていた。


アサミちゃんと目が合うと、足早にお店を出て行ったものの、その手にはデジカメが握られていたらしい。



「アサミ、執事さんにもこのこと言えなかったらしくて…。アタシには話してくれたんだけど、アタシも…なんて声をかけていいのか」


「気のせいじゃない?」


あたしなら、こう言ってしまうところだった。
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