❀ お嬢様華伝 ❀
“あいつ”しかいなかった。


『なんで飛鳥が、あたしの電話番号知ってんのよ』


…そう。

バロンの飛鳥。


でもあたし…、あいつに連絡先なんて教えてないし、教えるわけがないっ!


あたしが頭を抱えていると、電話の向こうから鼻で笑うような声が聞こえた。


『気づかなかった?お前がバロンにきたとき、紫恩がお前のブレザーのポケットから、携帯抜き取ったの』
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