❀ お嬢様華伝 ❀
そう言われてみると…。

…ごもっともだと思った。


まさか、制服のスカートを履いたまま、いとも簡単に木を登り、塀を飛び越えるお嬢様がいるだなんて、だれも想像もしていないはず。


だから、そもそもこんな茂みに人がくることもなければ、人の目に留まることもなかった。


「…はいはいっ。ついて行けばいいんでしょ!」


あたしは、蛍のあとに続いて木を登った。
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