❀ お嬢様華伝 ❀
「あ…。ココ…、ケガしてるっ」


ふとあたしは、布川くんに右手を取られた。


あたしの人差し指には、擦り傷のあとがあった。


「あ〜、これはー…」

「…ごめんね。ボクが、ケガをさせてしまったみたいだっ…」


布川くんは、申し訳なさそうな表情をして、あたしに謝ってきた。


この人差し指の擦り傷は、今日、教室で机の角にぶつけただけ。


今できた傷ではない。
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