❀ お嬢様華伝 ❀
「あたし、スカートだもん!こんな格好じゃ登れないよっ」


あたしがそう言うと、ムスッとした顔で蛍は食べていたアイスを呑み込んだ。


「へいへい、行けばいいんだろっ。普段スカートでも関係ねぇくせに、こういうときだけ…」


なんて小言を言いながら、蛍は身軽に気を登って行った。


さすが、サル!


そして赤い風船の紐を掴むと、枝から一回転して下りてきた。
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