❀ お嬢様華伝 ❀
「…ありがとう、桜子!」


あたしは、桜子の手を取った。


「大したことはしていませんわ。授業のことなどは、ご心配なさらずにっ」

「城ヶ崎の言う通りだ。ひとまず、家のことが落ち着くまでは、学校のことは心配するな」


担任の先生もそう言ってくれた。


あたしは、先生と桜子に頭を下げると、教室を飛び出した。


とりあえず、財布や学生証など、最低限のものをバッグに詰め込む。
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