❀ お嬢様華伝 ❀
久々に降り立った、夕霧島。

入寮するときに出たっきり、一度も帰れていなかった。


戻ってきたのは、…約半年ぶり。


港に停泊している、船の数々。

村の奥に見える、鬱蒼とした夕霧島の森。

そして、村人たちの賑やかな声。


当たり前だけど、なにも変わっていなかった。



「…ありゃ!どこのべっぴんさんかと思ったら、麗ちゃんでねぇか!」


船を降りてすぐ、1人のおじさんに声をかけられた。
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