❀ お嬢様華伝 ❀
できることなら、あの日に戻りたい。


まだなにも知らない、ただ5人で島を駆け回っていた…あの日に。



「…麗。聞け」


下唇を噛んで、涙を堪えるあたしの首筋に、飛鳥が顔を埋めた。


「もしかしたら…、この島を救える方法があるかもしれない」

「…えっ!?」

「でも…それが成功するとも限らねぇ。もしかしたら、失敗するかもしれねぇ」

「そ…それでも、なにか手があるなら…!」
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