X'masの奇跡
後悔

「‥ 八年前 か…」







優斗は、ひとり 呟く。







下見の式場から
家へと帰りついた優斗は、
運転席から降りず、
まだずっと 車の中にいた。





考えごとをしていた。





優希子が… 母が いたときのこと

昔のことを ひとり 思い出していた。










本当に‥


突然だった





自分の母が 突然に 居なくなってしまった









高校二年の 冬


優斗は、あの日‥


駆け付けた あの日‥






後悔した










さっきまで居たのに





さっきまで 話してたのに











俺は なんで あんな酷いことを してしまったんだ








なんで あんな 酷い言葉も 言ってしまったんだ‥









母の手編みのセーターを 思い出す



スカル模様を はっきりと思い出す





1番大好きで「ママ ママ」と何度も愛しく呼んだ、

自分の幼き日々を 鮮明に 思い出す













こんなことになるなんて










こんな日がくるなんて



















優斗は、






後悔で 後悔で 後悔で



後悔に 押し潰された



























< 20 / 42 >

この作品をシェア

pagetop