誰にも向かない君の笑顔が私だけのものになったら



今日はやけに眠かった。


昨日、ここで借りた本が面白くて読んでいたら、読み切ったころにはいつも寝ている時間よりも二時間過ぎていたからだろうか。


多分、そうだと思う。



だからかな、いつも通り本を読んでいるのに、いつも通りに進まない。



「少しくらい、いいよね」



一人でつぶやいて、本を閉じる。


しっかりしおりを挟んでから。



腕を枕にして、目を閉じる。



多分、十五分とか二十分くらいで起きるからさ。


今は少しだけ、ごめんなさい。


館長さん、許してね。



今日はまだいることを確認できてないけど、もしいるなら、前原くん、どうかこんな私を見て失望しないでください。


本にしっかり集中できずに図書館で寝ている私に、失望しないでください。


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