桜が散る頃に…。



気がつくとどこかわからない場所にいた。


隣には兄上が座っていた。



「ーー!起きたか、良かった…」



「慧にぃ…かかさまは?ととさまは?」



「っ!母上と父上はお亡くなりになられた」




兄上が小さな声で、細い声で私に教えてくれた。



でも、私は信じられなくて、

いや、信じたくなくて逃げてきた




はしって、


走って、


< 41 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop