眠り姫に恋したのは年下御曹司
あっと言う間に週末が訪れていた。


陽平からはメッセージが届いていた。



『ごめん、週末も会えないかも』


『仕事がそんなに忙しい?』


『うん、もう少しで片付く』


『そう、年度替わりだもんね』


『新入社員が多すぎ。片付いたら会えるね、莉乃』


『うん、楽しみにしておく』


『俺も早く会いたい、莉乃に』




最近の陽平を信じられないでいた。


リップサービスが上手いのは前からだ。


本心なのかどうか疑ってしまう。


もう少しで年度替わりには違いない。


私も9年目だ。



「やっぱり覚えてないか。」



陽平は覚えてない。


私の誕生日なんて覚えてくれてない。


ベッドに寝転んで目を閉じる。


こういう時は寝るに限る。


辛い事も寝てしまえば考えない。


誕生日だって寝てしまえば、あっという間に過ぎていく。



「陽平…………。」



私は深い眠りに落ちていった。
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