眠り姫に恋したのは年下御曹司
いい大人がこんな道端で喧嘩すれば目立つか。



「イケメンだって。陽平はモテモテよね。」


「はっ?莉乃こそ、美人だって言われてんだろ。」


「はっ?言われてない。」


「容姿は生まれつきだ。優しい?誰に?莉乃だけにだろ。女慣れ?別に慣れてない。」



さっきの言葉を一気に否定してくる陽平に一歩近づく。



「もう遅い。決めたから。」


「何を?」


「陽平とは終わ…………。」



陽平に口を塞がれた。


それも陽平の唇で。


目を見開けば、陽平の目と目が合う。



「その言葉を言えば、また塞ぐから。」


「なっ!」


「じっくり教えてやる。俺のコトは。」


「もうい…………。」



またしても唇で口を塞がれた。



「莉乃、帰るよ。」


「別の家にね。」


「拗ねるなよ、莉乃。そこも可愛い。」


「はっ?」



手を繋いで歩き始めたマイペースな陽平に大きな溜め息を吐いた。
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