眠り姫に恋したのは年下御曹司
言葉で伝えるだけで癒される?



「無理なら言わないじゃなくて、無理でも言って欲しい。」


「でも無理なら。」


「無理な判断ぐらいする。そこまでバカな男じゃない。」




止めていた足がまた歩き出した。


直ぐに陽平が手を上げてタクシーを止めようとしている姿が映る。



「本当に実家に帰るなら、私は遠慮しておく。」


「何で?二人っきりで過ごしたいとか?」


「そうじゃなくて、こんな時間にお邪魔なんて出来ない。」


「前もこんな時間だったけど?親は気にしないから大丈夫。」



その意味が分からない。


夜も遅い時間に彼女を連れてきて問題ないって言われる意味が分からない。



「本当に帰る。今日はごめん、お邪魔しちゃったみたいで。」


「お邪魔って…………。俺は助かったけど。つまんない合コンから抜け出せて。」


「どうだか。凄く楽しそうに見えたけど?」


「莉乃のヤキモチは嬉しい。」



…………。
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