眠り姫に恋したのは年下御曹司
荷物も何も持ってない。


それにそもそも別荘は日帰りなのか?



「えっと日帰りで?」


「泊まり。ちゃんと莉乃の上司には連絡してあるから。」


「はっ?」


「有休とってある。荷物も準備してある。下着もあるから風呂に行こ。」



…………。


やる事が半端ない。


マジで?


手ぶらで旅行に行くのは初めてだ。



「ほら、一緒にはいるよ、莉乃。」


「…………。」



もう何と言えない。


家族で入る風呂かと思いきや、陽平の部屋にある風呂に入るみたいだ。


てっきり家族の風呂かと思っていたが、陽平の部屋にも風呂があるらしい。


さすがだ。



「莉乃、ほら入るよ。」


「先にどうぞ。」


「もう一緒に入ってるし、照れなくてもいいでしょ。」


「…………。」



まあ正論だが。


クローゼットの奥から着替えらしき服を手に持ってきた。


ソファに座る私の手を繋ぎ、風呂へと促してくる。


仕方なく陽平と風呂に入った。
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