眠り姫に恋したのは年下御曹司
久しぶりに陽平と一緒のベッドで寝る。


この一ヶ月は本当に陽平と過ごしていなかったように感じる。


抱き寄せる陽平の体温に安心する。



「莉乃、俺は莉乃が本当に好きだから。会えなくて寂しくない訳ないから。」




頭の上から聞こえてくる陽平の言葉に耳を傾ける。


語りかけるような優しい声に目を閉じた。


心地良さが私を支配していく。


久しぶりに味わう感覚に眠気が襲い始める。



「俺はサプライズで莉乃を喜ばせたかっただけなのに、莉乃を不安にさせてたなんて…………ごめん。」


「誕生日なんて覚えてないのかと思ってた。もう気持ちが離れてるのかもって。」


「そんな事ある訳ないだろ。」


「でも私の方が年上だし、また年下の女に取られるのかなって。」


「また?」


「…………前に別れた彼氏。」


「ふ〜ん。」



明らかにトーンが低くなった。



「莉乃、抱いていい?」


「…………ダメ、実家でしょ。」


「なら明日はいいよね。」



抱き寄せる腕が緩まり、陽平のキスが落ちてくる。


陽平の独占欲が垣間見えた気がした。
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