眠り姫に恋したのは年下御曹司
次の日から本当にサプライズ旅行に出掛けた。


陽平が準備したスーツケースを持って、私達は別荘に向かった。


陽平の運転する車の隣に座り、陽平の選んだ服を着た私が窓を流れる景色を見ていた。


その姿をチラチラと陽平が見てくる視線を感じる。



「陽平、前だけ見てて。」


「はっ?何で?」


「危ない。」


「俺の選んだ服が似合ってるなって。」


「ありがとう。」



確かにセンスはいい。


私好みの服で私自身も気に入ってはいる。


だけど運転には集中して欲しい。



「今朝からずっと見てるでしょ。」


「まあ下着も似合ってた。」


「…………ありがとう。」



一応はお礼を言っておく。


買ってくれたのは陽平だから。



「服を贈るのは何故か知ってる?」


「…………魔の3ヶ月目は知らない癖にね。」


「それこそ知る必要ある?」


「陽平こそ、知る必要ある?」



なんだかんだと昨日までの日々が嘘見たいに過ごしていた。
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