眠り姫に恋したのは年下御曹司
不安げな声が聞こえてきた。


昨日の陽平の告白を指しているのだろうが。


確かに普通なら引くかも。



「引いてない。だってもう陽平が好きだから。」


「そっか。ならいい。」



嬉しそうな陽平の横顔があった。


気まぐれで付き合い始めた訳じゃないのが分かったし、ずっと好きでいてくれたのは本当に嬉しい。



「もう不安にならないよ。」


「ん?」


「陽平の気持ちが知れたから大丈夫。」


「ははっ、そう?」


「うん。」



今の私と陽平はお互いに好き合っている。


それは事実だ。


あの頃のように毎日会えなくても大丈夫。


あの頃のように会いに来れなくても大丈夫。



「陽平、無理しないで実家から通えば?」


「ん?なら莉乃も一緒に寝てくれる?」


「はっ?」


「俺は莉乃の寝顔が見たい。」


「…………。」



起きてる私は魅力が欠けるのか?


納得出来ない言葉だ。
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