眠り姫に恋したのは年下御曹司
午後になり、受付からの連絡でフタバ食品の社員を迎えに行く。


エレベーターで受付まで下りていけば、ロビーに座るフタバ食品の社員らしき人達が目に入る。


彼らの前で軽く頭を下げてお辞儀をする。



「大変お待たせ致しました。企画担当の片桐です。宜しくお願いします。」



頭を上げて彼らを見渡した。


同年代の男性が二人、私より年上の上司らしき人が二人、そして…………驚きに動きが止まってしまった。


なぜなら朝の電車で隣にいた男性が目の前に立っているからだ。



「片桐さん、どうかされましたか?」


「あっ、いえ。ご案内致します。」



私だけが驚いているのが分かった。


彼は平然とした表情で私を見下ろしていたのだ。


もしかして彼は気づいてないのかもしれない。


彼らをエレベーターで会議室のある部屋まで案内すれば、すでにリーダーも部長も会議室の席に座っていた。


私は頭を切り替えて会議に集中する事にした。
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