眠り姫に恋したのは年下御曹司
淡々と進んでいく会議に胸の中でホッと息を吐いていた。


大きなプロジェクトの初会議ともなれば、誰もが緊張するものだと思う。



「片桐、以上か?」


「はい。後日、会議の反映をさせて頂いた資料をお送り致します。」


「片桐さん、私宛にお願いします。」



聞こえてきた声に顔を上げた。


電車の中で会う彼が私をじっと見つめていた。



「双葉宛にお願いします。」


「あっ、はい。」



慌てて返事をした。


彼、双葉さんは見れば見る程いい男だった。


電車ではちらっとしか見なかったが、目が合った彼は凄く顔が整ったイケメンだった。



「では親睦も兼ねまして店を手配しておりますので、ご移動をお願いします。片桐。」


「はい。」



リーダーの佐東さんに大きく頷いて見せた。


私一人だけ先に席を立ち上がり、彼らを案内する為に急いで自席に戻り帰り支度を済ませる。


佐東さんがフタバ食品の方々をロビーに案内している筈だ。
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